弁護士コラム
Column

労働契約の終了(その1)

投稿日 :
2023-06-18 16:52:31
カテゴリ :
企業法務
WRITER :
桜花法律事務所 中島俊明

目次

1.労働契約終了の種類

2.自主退職

 

 

1.労働契約終了の種類

労働契約の終了にはいくつかの種類があります。

労働者の権利は非常に強いものがあるので労働契約を終了するとなった場合に

適切な手続を選択しければ雇用契約は終了していないことになかったり、解雇が無効となったりすることで

使用者側は大きな損失を被ることになります。

労働契約の終了には、

①辞職(自主退職)、

②退職勧奨による退職、

③自然退職、

④普通解雇、

⑤整理解雇、

⑥諭旨解雇・懲戒解雇、

⑦雇止め

の7種類があります。

 

 

2.辞職(自主退職)

自主退職とは労働者の一方的な意思表示による退職です。

期間の定めのない、正社員やアルバイトでも期間の定めのない場合にはいつでも雇用契約を一方的にやめてその日から2週間が経過することで会社をやめることができます(民法627条1項)。特に退職するために理由は必要ありません。

ただし、2週間の予告期間があることが特徴です。就業規則などによってこれを予告期間を延ばすこともできますが、この予告期間の定めは強行法規とみる見解もあり、これに反しても無効とされるリスクがありますし、仮に強行法規でなくとも長期間になればそれだけ退職を自由を不当に拘束するものとして無効になるリスクがでています。

また、退職届を出したにもかかわらず、自社の都合で退職を認めないとするやり方は、労働者との間でトラブルを招くことになります。最近増えている退職代行サービスはそのような背景があるものと思います。が急な退職届が出されることがないように普段から関係性を構築することが一番ですが、予告期間内に引継ぎを済ませたりできるようにすることが重要です。

期間の定めのある場合の労働者の場合には、やむをえない事由があるばあいにのみ直ちに会社をやめることができます(民法628条)。期間を定めて契約をしたのですから、労働者の側から簡単に辞めることができません。働く意思がない人を無理やり働かせることはできませんが、やむを得ない事由が労働者側の故意または過失によって生じた場合、特にやむをえない事情がない場合には、労働者側に損害賠償請求をすることができますのでそこで損害の回復を図っていくことが考えられます。

 

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