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自己破産と口座名義
- 投稿日 :
- 2023-05-24 18:22:11
- カテゴリ :
- 債務整理
- WRITER :
- 桜花法律事務所 上野健太
申立人名義の財産の取扱い
自己破産等においては、申立人名義の預貯金があればこれが破産財団に帰属し、没収されることとなるのが原則です
(もちろん、自由財産の拡張等の手続により一定限度までは申立人名義に残すことができます。)。
申立人名義でない預貯金は原則として破産財団に帰属することはありません。
しかし、必ずしもそうではなく、破産者名義の預貯金でなかったとしても破産財団に帰属し没収されることがあります。
逆に、申立人名義の預貯金であったとしても、破産財団に帰属せず、没収されないことがあります。
これらは例外的な場合ですが、名義にかかわらず、実質的にみて当該預貯金の帰属者を判断するといいうものです。
破産財団帰属性
預貯金が破産財団に帰属するか否かを実質的に判断するといっても容易に判断できるものではありませんが、裁判例等が参考になります。
まず、定期預金について、口座名義ではなく出捐者を預金者とする判例が存在します(最判昭57・3・30)。
また、普通預金について、預金通帳や銀行印の保管者や入出金事務を行っていた者等の諸要素から普通預金の帰属を判断した判例が存在します(最判平15・2・21)。
このように、預貯金は口座名義人に帰属することが原則ではありますが、諸要素を考慮した上で破産財団に帰属するか否かは検討されることとなりますので、口座名義人だからといって必ずしも預貯金が口座名義人に帰属する財産とみなされるとは限りません。
自己破産等を検討する際には、自己名義の口座のみでなく、配偶者や子供等、他人名義の口座であっても自己の財産とみなされないかに注意して自己破産等を検討する必要があります。
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