解決事例
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解決事例報告Solution case report

  • ギャンブル依存症に悩むご依頼者の回復活動に伴走しつつ、住宅資金特別条項付きの小規模個人再生を実現
    2026-07-31
    30代の会社員の男性は、YouTubeをきっかけに始めた「バイナリーオプション」という投資(投機)で掛け金が大きくなり借金をし、一度は父親に返済を肩代わりしてもらい完済したが、その後もやめられず再び借金をしてしまい別の法律事務所に任意整理を依頼。しかし返済継続は不可能と判断し個人再生による解決を求めて当事務所にご相談・ご依頼いただくこととなりました。

    相談事例

    依頼者は、依頼時に30代の会社員の男性です。
    依頼者は、YouTubeをきっかけに「バイナリーオプション」という投資(投機)を始めました。当初はお小遣いの範囲内でしたが、次第に掛け金が大きくなり、家計費や銀行のキャッシングにまで手を出して依存するようになりました。一度は借金が膨らみ、実父に約80万円を肩代わりしてもらい完済しましたが、その後もやめることができず、再び銀行や消費者金融からの借入を重ねてしまいました。
    家族に秘密にしたまま借金問題を解決しようと、別の法律事務所に任意整理を依頼しました。債権者との交渉により月々4万8千円の返済で合意し、貯金を切り崩しながら返済を続けていました。
    厳しいながらも返済を続けていましたが、再び投機やギャンブルに手を出してしまい、わずか2ヶ月足らずで手元の資金を全て失ってしまいました。義母の援助を受けながら生活費と住宅ローンの支払いは辛うじて維持していたものの、その他の借金返済が完全に困難な状況に陥りました。
    これ以上の返済継続は不可能と判断しました。依頼者様には住宅ローン支払い中の自宅不動産があったため、根本的な経済的再生(住宅ローンを維持しながらの負債整理)を図るため、個人再生による解決を求めて当事務所にご相談・ご依頼いただくこととなりました。

    解決結果

    1.弁護士は、受任後、受任通知の発送と債権額の調査 ご依頼後、速やかに各債権者(消費者金融、クレジットカード会社、銀行、日本学生支援機構など)へ受任通知を発送して直接の取り立てをストップさせました。その後、債権届出書や取引履歴を取り寄せ、正確な債務総額(住宅ローンを除き約865万円)の調査・確定を行いました。ただ、住宅資金特別条項(住宅ローン特則)を利用して自宅を残すため、住宅ローンの返済のみは滞りなく継続していただきました。
    2.ギャンブル依存克服のサポートと家計管理の指導 借金の主な原因がバイナリーオプション等の投機・ギャンブルであったことから、再発防止と生活再建に向けて、ギャンブル依存症の自助グループ(GA)やオンラインミーティングへの継続的な参加と、その参加記録の提出をするようにしてもらいました。また、今後の再生計画を確実に履行できることを裁判所に証明するため、毎月の「家計収支表」の作成してもらい、毎月の面談で細かくアドバイスをしていきました。
    3.弁護士費用の目途が立ってきたころに、個人再生申立に必要な膨大な書類(戸籍謄本、住民票、給与明細、源泉徴収票、課税証明書、保険の解約返戻金証明書、不動産の全部事項証明書など)について、収集漏れがないよう適宜指示を出し、準備を進め個人再生の申立てをしました。当初は債権者の反対によるリスクがない「給与所得者等再生」にて申立てを行いましたが、直近の収入増により裁判所が算定する「可処分所得の2年分」が高額になり、月々の返済が極めて困難になることが判明しました。そのため、返済総額を現実的な額に抑えることができる「小規模個人再生」へと申立の趣旨を変更する手続きを速やかに行いました。
    4.方針変更が認められ、令和7年9月に小規模個人再生としての開始決定と、住宅ローンの支払いを継続するための弁済許可決定が下りました。その後、今後の再生計画通りに返済していける能力があることを裁判所に証明するため、弁護士の預り口座へ毎月5万円の積立(履行テスト)を実施し、家計収支表の作成を通じた家計の立て直しと支出コントロールを徹底しました。本来ならば新しく通帳を作るのですが、依頼者様が仕事が忙しく銀行に行けないため、代替的に弁護士の預り口座を積立用口座にしました。
    5.その過程で、申立て直前に職場での接触事故に伴う修理費用の示談金(5万円)を支払っていたことが判明しました。特定の相手にだけ返済を行う「偏頗(へんぱ)弁済」として問題視される可能性がありましたが、借入ではなく手元資金で賄ったこと、最低弁済額に影響を与えない少額であることをまとめた「上申書」を提出し、裁判所へ誠実に報告することで手続きへの影響を回避しました。
    6.確定した債務総額(住宅ローンを除く)約837万円に対し、約80%を免除し、残り20%にあたる約167万円を3年間(3ヶ月ごとに12回分割)で返済する再生計画案を提出しました。懸念されていた大口債権者からの反対票もなく、無事「再生計画認可決定」が下り、再生計画認可決定は確定しました。
    7.その後、当事務所から各債権者へ振込先口座の確認手続きを行いました。積み立てていただいたテスト資金をご本人に返還し、住宅ローンを維持しながら、大幅に減額された借金を無理なく返済していく新たな生活をスタートさせることができました。

    弁護士のコメント

    住宅資金特別条項付きの小規模個人再生の事案です。
    当事務所では、ギャンブル依存症からの回復と債務整理の両立を目指していますが、依頼者様は多忙にも多忙にもかかわらず、定期的にオンラインミーティングに参加し、回復への歩みを進めていきました。
    個人再生開始後の時期には依頼者様は、「ギャンブルについては「やめてからもうすぐ2年経つ。もうしたいとはあまり思っていない」と語っていました。ミーティングへの参加も継続しており、依存症の克服と健全な金銭感覚の定着に向けて着実に歩みを進めていました。
    依頼者様は、ミーティングに参加した感想として「行くたびに気持ちは引き締まる感じがある」、「参加者の対処法などが参考になる」と率直な感想を話してくださいました。
    個人再生では債務額が約167万円まで減縮され、1ヶ月あたり約4万6000円、3カ月で約14万円ほど返済すればいいことになりましたが、一方で個人再生開始決定後から再生計画認可決定確定までの期間に30万円もの積立を行っており、実質の債務額は137万円になっていました。こうした履行テストによる積立によって余裕ができるところも個人再生の良いところだと思いました。
    これからもギャンブル依存症の回復と健全な経済生活を送ってほしいと強く思っています。

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