解決事例
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解決事例報告Solution case report

  • ギャンブル依存症に悩むご依頼者の回復活動に伴走、任意整理手続で全社と和解
    2026-07-30
    40代男性の相談者様は、競輪や競艇で負け込み借金をし、「借金を返すためにギャンブルをやらなければならない」という義務感や強迫観念に駆られ、借りられるところから借り尽くすまで引き返せなくなり、自身がギャンブル依存症ではないかと考え病院に通院するとともに、債務整理の委任をしました。

    相談事例

    依頼者は、依頼時に40歳で会社員の男性です。
    依頼者は、競輪や競艇で多重債務に陥ってしまった方です。依頼者様は、結婚後はお小遣い制となり、月2~3万円程度で生活していました。夫婦仲が悪かったわけではないのですが、何か欲しいものがある時はその都度家族に交渉する必要があり、その煩わしさや不満を感じていました。また、ボーナスが出ても小遣いは増えず全額家計に入っていたため、自由に使えるお金がある独身の同僚と自分を比べて不条理を感じていました。
    その中で、コロナ禍において会社に出勤しても業務が少なく、暇な時間ができたことがギャンブルの頻度が増える直接的な契機となりました。いつでもどこでも手軽にできるスマホアプリやネットギャンブルの性質上、仕事中の合間に会社のパソコンから隠れて行うなど、日常の隙間時間をギャンブルに費やすようになっていきました。また、オンライン上の決済はお金を使っているという現実感を麻痺させました。
    また、YouTubeの競艇配信者の予想に乗っかって勝てた経験などから、「こうやれば勝てる」「次やったら勝てる」という期待を持つようになり、どっぷりとハマっていきました。しかし実際には負けが込んでいき、2023年頃からは借金をするようになりました。最終的にはギャンブルを楽しむためではなく、「借金を返すためにギャンブルをやらなければならない」という義務感や強迫観念に駆られ、借りられるところから借り尽くすまで引き返せなくなり、自身がギャンブル依存症ではないかと考えて、病院に通院するとともに、債務整理の委任をしました。

    解決結果

    1.弁護士と依頼者は協議の上、不動産など生活に影響の大きい財産を有していたことから、任意整理の方針を選択しました。債権者は当初7社でしたが、保証会社による保証の結果、最終的に債権者数は5社になりました。
    2.弁護士費用は毎月無理のない金額を7回分割で支払いました。
    そして、分割払いの期間中、毎月の自助グループやオンラインミーティングへの参加記録と家計収支表を作成するように依頼し、ギャンブル依存症からの回復と経済的感覚を養うことにしました。また、家計収支表を作成する中で月々の弁済可能額の算定をすることができました。
    3.また、月1回の面談は毎回1時間程度、オンラインで行いましたが、当事務所オリジナルのワークシートを使って自身の内省を深めてもらうことにしました。依頼者様は毎回のワークシートの作成にも精力的に取り組み、ミーティングと通院と相まって自身を深く振り返ることができました。ワークシートでは、ギャンブルのメリット・デメリット、家計収支表の分析、ギャンブル依存症に陥った原因、回復とは何かなどといったテーマに取り組みました。依頼者様の努力もあり、受任後は一度としてギャンブルに手を出すことはありませんでした。
    4.そして、断ギャンブルが半年以上たち、毎月の支払に十分な余剰が確保できることが確認できたため和解交渉に移行、各社と順次交渉を行い、将来利息のカットや最大63回の長期分割の和解を勝ち取ることができました。
    5.依頼者様は最後の面談で、これからも回復活動を継続すること、家計収支表を付け続けることを決意しておられました。また、依頼者様は、ギャンブル依存が仕事への情熱や集中力を奪っていた状態から、回復のプロセスを通じて、仕事に対する本来の姿勢を前向きに取り戻していきました。

    弁護士のコメント

    任意整理の事案における現時点での一つのモデルケースにあたる事案です。弁護士費用の支払をしながら、ミーティング参加や通院を続けながらギャンブル依存症からの回復に取り組みつつ、家計収支表を自ら作成し、家のお金についての理解・解像度を深めていきました。当事務所オリジナルワークシートは、これまで、他の依頼者様と面談をする中で話題になることが多かったものをワークシートの形にして自身の意見を言語化するものです。考えるのが難しかったとの意見を頂きましたが、ギャンブル依存症や自身の理解を深めるのに効果的であると感じました。
    依頼者様は、ミーティングに参加した感想として「行くたびに気持ちは引き締まる感じがある」、「参加者の対処法などが参考になる」と率直な感想を話してくださいました。
    依頼者様は、家計簿について「今までつけたことはなかったので、家のお金の管理がこうなっているのかと分かってきた」と肯定的に受け止めていました。また、「収入と支出が分かりやすくなった」、「月の固定費が明確になった」「繰越額が増える感覚が楽しい」といった気づきを挙げていました。
    任意整理は和解交渉だけを見てしまえば、非常に簡易な手続です。そこに、ギャンブル依存症からの回復や家計収支表作成による経済感覚の成長を伴うことで二度と多重債務に陥ることのない債務整理ができると考えています。任意整理が無事に終わったこと以上に、半年以上の期間を一緒に伴走し、ギャンブル依存症からの回復につなげることができたことを非常にうれしく思います。

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