【任意売却による債務整理】不動産業者や司法書士と連携し、任意売却を通じて債務整理を行いました。
2023-01-11
60代ご相談者様は宅地建物を所有しているものの、他の財産としては自動車のみで、収入等も乏しかったことから債務を返済できない状況にあり、当事務所にご相談に来られました。
相談事例
本件依頼時ご相談者様は60代で宅地建物を所有しているものの、他の財産としては自動車のみで、収入等も乏しかったことから債務を返済できない状況にありました。
相談者様は総額600万を超える多重債務に陥っており、その中には住宅ローンの残債や、当該不動産を担保とした貸付けも含まれておりました。
相談者様は当該不動産や車を売却してもよいとのご意向でしたので、破産申立も視野に入れながら、当該財産について任意売却による解決の可能性を模索することとなりました。
解決結果
1.弁護士は、速やかに残債を確認した上で、当該不動産の査定を信頼できる優秀な不動産業者に依頼し、任意売却による総債務の返済可能性について精査しました。そうしたところ、当該不動産の任意売却が奏功すれば、相談者様の総債務を返済することが可能であることが判明しました。
2.住宅ローンの債権者や不動産を担保とした債権者は、債務者が支払い不能に陥れば競売により当該不動産を売却し、債権を回収しようとし、競売の申立を行い競売開始決定を得ていました、弁護士は、任意売却による手続きを進めるため、当該債権者らと交渉し、不動産競売では債権者が全額回収できない可能性が高く、任意売却の方がによる方が双方にとってメリットが大きいことを訴えたところ、債権者は、競売の申立を取下げて、任意売却手続きを進めることとなりました。
3.なお、その間には、相談者様の他の財産についても売却手続きを進め、不要な財産等を整理し、引っ越しのために現在の住居の不要物を売却する等、並行して相談者様の財産環境、居住環境を整える手続きも進めました。
4.そうした中で、不動産業者から想定より高額での売却見込みの連絡を受けたことから、司法書士との連携の下で、引き続き売却手続きを進め、不動産の担保登記の抹消手続きの準備等も進めながら、無事、当該不動産を売却し、当該不動産にかかる債権者につき弁済を行うことが出来ました。
5.また、他の多数の債権者に対しても、粘り強く交渉を重ね、一括払いで支払うことを条件に、利息等の大幅な減額による和解を成立させました。
6.結果として、相談者様の不動産を任意売却により、相場より高額で売却した上で、ローン等の債務を弁済し、他の多数の債務者の債務についても減額交渉により減額し、相談者様の債務整理を実現しました。
弁護士のコメント
不動産の任意売却や、他の動産の売却、相談者様の現状の居住環境の整備や不動産担保貸付にかかる債権者との交渉、他の多数の債権者との減額交渉等、当該事件については期限がある中で計画的に手続きを進める必要がある事案でした。
結果として、多重債務に陥っていた依頼者の債務整理を実現し、想定より多額の余剰金が生じたことは、信頼できる優秀な不動産業者や司法書士等多数の関係者との連携の下、一丸となって行動した結果であると考えております。
依頼されたすべての事柄を弁護士が行うことは不可能ですし、適切ではありません。適切な専門家の協力を得て、密に連携し合いながら事案を進められたことが、相談者様の事案解決という結果を生み、さらには今後の事案解決にも繋がっていく財産となるのだと思います。