【任意整理・長期分割払】家計を見直した上で粘り強く交渉し、60回以上の長期分割の和解を成立させることができました。
2022-05-26
40代男性は生活費を補うため、貸金業者からの借入やクレジットカードの利用により何とか生活をしていましたが、さらに生活費が不足することになり、返済に困り当事務所に相談に来られました。
相談事例
相談者様は、本件依頼時40代の男性で、会社員として働いていました。
相談者様は、長年住宅ローンを支払ってきましたが、生活費の不足から貸金業者からの借入やクレジットカードの利用により生活費を補い、何とか生活をしていました。ところが、通勤用で購入した自動車ローンの負担が大きくなるなどして、生活費の不足に苦しむようになりました。
そこで返済に困った、ご相談者様は当事務所の弁護士に相談を行い、本件事件を委任しました。債権者は最終的に8社となりました。
解決結果
1.相談者様としては、何とか返済をしていきたいという気持ちと自動車を維持したいという気持ちがありましたが、月々の返済可能額を算定すると、どうしても任意整理は難しいように感じました。
2.着手金の分割払いをしていく中で、そこで副業による収入の改善と毎月家計簿をつけてもらうことによる支出の抑制を試みました。弁護士と相談者様は、毎月作ってもらった家計簿を見ながら毎月面談を繰り返し、収支の改善に努めました。結果として、副業による収入の改善は見出せませんでしたが、家計簿をつけたことによる支出の抑制を図ることができ、弁済可能額を増やすことができました。
3.また、債権者から進捗状況の確認の連絡をもらった際に、弁護士としては率直に個人再生が相当の案件であるとは考えているが、相談者様が任意整理にこだわっていることを告げたうえで、どのくらいの分割まで検討できるのかを聴取したところ、債権者のうち何社かは60回を超える分割でも受け入れてくれる可能性があることがわかりました。
4.そこで、思い切って、60回を超える分割和解案を債権者8社に出したところ、債権者8社のうち4社が60回を超える分割和解案に応じてくれ、そのうち大口債権者1社が120回払分割の和解に応じてくれ、何とか生活の中でやりくりできる範囲で和解をすることができました。
弁護士のコメント
基本的に60回分割というのが任意整理をするうえでの一つの基準ではあり、困難な事件ではあしましたが、ご相談者様が家計簿をつけて支出を改善すること、粘り強く交渉することで、弁済可能額の範囲で任意整理をまとめることができました。結果として法的整理に入れば失う可能性のあった、家や車といった財産を失うこともありませんでした。
任意整理というと債権者との交渉がどうしてもメインとなりがちですが、家計簿をつけてもらい、アドバイスを行うことで収支を改善し、弁済原資を増やしていくことも重要だと改めて思いました。