解決事例
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解決事例報告Solution case report

  • 相手方らから提案された当初の遺産分割案よりも3000万円以上上乗せした遺産分割を勝ち取ることができました。
    2021-09-06
    相談者様50代の女性のお母様が亡くなり、今までお母様に対して相手方ら(相談者様の父親と弟)が何をしてきたのかを解明するとともに、できる限りの遺産分割を獲得するべく当事務所の弁護士に依頼しました。

    相談事例

    相談者様は、本件依頼時50代の女性です。
    本件事件の被相続人は相談者様のお母様です。お母様は,お母様の父(相談者様の祖父)が資産家で亡くなった際に公正証書遺言に基づいて多額の遺産を相続しました。なお、このときに遺贈を受けた者としてお母様の他に、今回の相手方となる相談者様の父親と弟、相談者様、その他にお母様の姉妹(相談者様からみて叔母)がいました。
    その当時からお母様は体調を崩されており、お母様の財産は今回の相手方である相談者様の父と弟にほしいままに利用されていました。そして、相談者様は,祖父の遺産相続の際やその後のお母様の財産管理についていつも蚊帳の外に置かれて何もわからない状況に置かれていました。お母様が父や弟に財産を好きなように利用されているのを見てきました。
    そのような中でお母様が亡くなり、今までお母様に対して相手方らが何をしてきたのかを解明するとともに,できる限りの遺産分割を獲得するべく当事務所の弁護士に依頼しました。

    解決結果

    1.弁護士は、相談者様と連携して、お母様名義の遺産を調べるとともに、相手方らに対して受任通知を送りました。そうしたところ,相手方らに弁護士が就任するとともに、相手方らの雇った税理士が現われ、税理士から遺産分割案が提示されました。その内容は遺産総額1億6000万円余りでそのうちご相談者様が4800万円余りを取得するという内容になっていました。確かに相談者様の法定相続分は4分の1ですので、これだけみれば800万円ほど多くなっていました。しかしながら、それまでに調査したお母様の預金の取引履歴には不自然な引き出しや支払が多数あり、相手方らの税理士が作成した遺産分割案には強い疑義がありましたので、その遺産分割案を拒否して遺産分割調停を申し立てることにしました。</p>
    2.判明していた遺産の中にあった多数の不動産については不動産鑑定を行い、不動産価値を正確に評価をしました。その結果として、遺産総額は当方の主張では約2億1000万円になり、税理士が算定したものより5000万円ほど多くなりました。
    3.税理士からの祖父の相続税の申告の資料などを取り寄せた資料を元にしたところ、お母様の財産の中から叔母らからの遺留分減殺請求に対する支払が、相手方父や相手方弟や相談者様の分までなされていました。なお、この叔母からの遺留分減殺請求については相談者様も相手方となっていて、弁護士が就任して遺留分減殺請求に対する対応がなされていましたが、相談者様は弁護士に委任状を書いたこともなく、知らない間に弁護士に依頼したことになっており、知らない間に遺留分減殺の問題の処理がなされていました。もちろん、一度もその弁護士と会ったことがありません。
    また、取り寄せたお母様名義の預金の取引履歴から相手方父のために多額の出金がなされていました。
    さらに、相談者様の知らないところで、相手方らは、祖父の相続時に生じた自らや相談者様の相続税をお母様に立て替えさせていました。そして、それによってお母様が取得することになった相手方父への相続税に関する立替金債権をできる限り贈与税がかからないように相手方父に贈与して消滅させたり、相手方弟への立替金をできる限り贈与税のかからないように相手方弟や相手方弟の妻や娘に贈与して実質的に消滅させる処理をして、お母様に全額相続税の支払いをさせ、相手方らは最終的に相続税の支払いを免れるような処理をしていました。相談者様についても、知らないところで同様の処理がなされており、相談者様が作成した覚えのない贈与税の申告書が証拠として出されたりしました。この問題について、相談者様の知らないところで贈与税の申告書などが作成されていることは文書偽造にあたり、当然そのような贈与はないとするのが正しいやり方ではありましたが、早期解決のためにあえてそこは争わずに特別受益の問題として扱いました。このような相手方らによるお母様の財産の使い込みなどを特別受益として整理した結果、特別受益額は当方の主張で最終的に約2億2000万円になりました。
    4.そして、特別受益の8400万円余りになりました。一方、相手方は上記のような特別受益の主張を争っており、相手方の主張を前提とすると5600円余りが具体的相続分となりました。そこで粘り強く、かつ強気に交渉したところ、こちらが不動産を相続しない代わりに預金と代償金合計8000万円を取得するという遺産分割調停を成立させることができました。

    弁護士のコメント

    証拠を緻密に計算し、できる主張は全て行った結果として当初税理士が提案してきた金額よりも3000万円以上も上乗せする形での遺産分割を成立させることができました。また、相手方らが相談者様を蚊帳の外において何をやってきたのかも概ね解明することができました。相談者様も多額の遺産を受け取るばかりでなく、相手方らの財産の使い込みや怪しい税金や財産の処理を明らかにすることができたので、満足していただくことができました。
    遺産が多額にのぼり、その数も多かったのですが、一つ一つ緻密に分析することで具体的な相続分大幅に増やすことができ、このような結果を勝ち取ることができました。粘り強く事件にあたるという私自身の強みを出すことができたのではないかと思っています。

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