解決事例
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解決事例報告Solution case report

  • 2度にわたる訴訟の結果、被害金額440万1000円に対して合計553万9613円の被害回復を果たすことができました
    2021-05-17
    70代の男性相談者様は,株で儲けるべくそのための情報を探していたところ,株式の情報提供事業者である相手方の運営するサイトを知り登録したところ・・・

    相談事例

    相談者様、本件依頼時70代の男性です。
    相談者様は,平成28年10月頃に株で儲けるべくそのための情報を探していたところ,株式の情報提供事業者である相手方Aの運営する本件サイトAを知るに至りました。そして,本件サイトAに登録したところ,相手方Aより,確実に儲けることができる株式情報を提供するとの話を告げられた。その話を信じた相談者様は,複数回にわたって合計99万円の株式情報をクレジットカードで購入して、その代金を支払いました。そして,相談者様は訴外ムーンスターの指示にしたがって株の取引を行いました。
    その後,平成29年3月25日頃に,相手方Aの担当者から,本件サイトAが誕生させる投資顧問サイトの本件サイトBが立ち上がり,本件サイトがオープンしたら相談者様は本件サイトBの会員となる旨の連絡がありました。そして,本件サイトAの取締役社長兼運営責任者を自称する者(実際には法人登記にはそのような名前の人物はいませんでした。)が、平成29年3月27日に本件サイトBがオープンするとの連絡をしてきました。そして,相談者様は,平成29年3月27日の本件サイトBがオープンするのと同時に,株式の情報提供事業者である相手方Bの運営する本件サイトBに自動的に登録され、その後、相手方Bより,確実に儲けることのできる株式情報を提供する旨の勧誘を受けました。そして,その話を信じた相談者様は,本件サイトBより複数回にわたって株式の情報を振込またはクレジットカード購入して,その購入代金を支払うとともに、相手方Bの指示にしたがって株式の取引を行った。
    しかし,相談者様は,相手方Aや相手方Bの指示にしたがって株式を購入してもこれらが言うような効果はなく,本件取引に不審を抱き,当事務所の弁護士に本件事件を委任しました。

    解決結果

    1.弁護士は,相手方B及びクレジットカードの決済代行業者の相手方Cに対して文書を送付して、クレジットカード決済取消や既払い金の返還を求めましたが、相手方Cが1件10万円分のクレジットカード決済の取消をしたのみでした。また,相手方Bは何らの対応もしませんでした。また,弁護士は、相手方B名義の口座について振り込め詐欺被害救済法に基づく口座凍結要請を行い、その後,同法に基づく被害分配金の申請を行ったところ,被害分配金として33万718円を受領しました。この金額は口座に残っていた金額全額で相談者様以外に被害分配金の申請をした人がいなかったため、全額相談者様が取得することになりました。
    2.そこで弁護士は,相手方A及び相手方Bとこれらの代表取締役、そして相手方Cに対して訴訟を提起しました。その結果,相手方A及びその代表取締役に対しては欠席判決による全面勝訴判決を獲得しました。また、相手方Bとその代表取締役との間で訴訟外の和解を行い、相手方Aとその代表取締役は、連帯して金473万1000円(この金額は原告の損害430万1000円に弁護士費用相当損害金43万円を加えた金額です。)の不法行為に基づく損害賠償金の支払義務を負担し,分割で支払うと合意するととともに,分割の支払が1度でも遅れた場合には期限の利益を喪失し,473万1000円から支払済みの金額を控除した残金及びこれに対する期限の利益を失った日の翌日から支払済みまで年5分の割合による遅延損害金を一時に支払うとの合意をするとともに,初回と第2回目の分割払いを期限の利益を喪失することなく支払った場合には,相手方B、その代表取締役及び相手方Cに対する訴えを取り下げるという訴訟外の和解をしました。なお、この1回目と2回目の分割金は多めに設定されており、合計118万円です。1回目と2回目の分割金の支払いがあったため、相手方B、その代表取締役及び相手方Cに対する訴えを取り下げました。
    3.その後、分割金の弁済は続きましたが、途中から約束より少額のお金しか市払ってこなくなり、期限の利益を喪失してしまいました。ただ、予定より少なくとも分割金の弁済は続いていたため、その経過を見守っていましたが、相手方Cとの関係で消滅時効が近づいてきたので、このタイミングで相手方B、その代表取締役及び相手方Cに対する訴訟を提起しました。そうしたところ、すぐに相手方Bから和解金の残額をすぐに全額支払うとの連絡がありました。そこで、弁護士は和解金全額では足りない、相手方Cに対する請求金額全額分を全部支払うように言いました。最初の訴訟で和解をしなかったため、相手方Cに対する請求額の方が、相手方Bとその代表取締役に対する請求額より大きかったのです。そうしたところ、相手方Bはこちらの要求を受け入れて全額支払ってきたことから、弁護士は、相手方B、その代表取締役及び相手方Cに対する訴えを取り下げました。
    4.最終的に被害金額440万1000円に対して、クレジットカード決済の取消が10万円、振り込め詐欺被害救済法による被害分配金として33万718円、相手方Bからの弁済として510万8895円の合計553万9613円の被害回復を果たすことができました。

    弁護士のコメント

    被害金額440万1000円に対して合計553万9613円の被害回復を果たすことができ、よかったと思います。「正直にこんなに返ってくるとは思わなかった。先生に依頼して本当によかった。」と相談者様に大変に喜んでいただくことができ、嬉しく思います。詐欺被害の場合に被害金額全額を取り返せたとしても、弁護士に支払った費用や事件解決までの不安な気持ちだとかそのような損害まで回復することができません。だからこそ、被害金額以上の金額を回収できたことは、そういった意味でも被害回復につながったと考えられ、私としても満足度が高いです。それに被害金額以上取り返すことは詐欺業者に自らの資金を持ち出しさせることになるので、詐欺被害の撲滅のためには重要なことだと考えます。今回の事件には大きな達成感がありました。今後もこのような形での事件処理を続けていきたいと強く思いました。

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