バイナリーオプションの必勝システム詐欺被害で被害金額の約9割の被害回復を果たすことができました。
2021-03-26
相手業者のYouTube動画を見たことがきっかけでEメールを受け取るようになり、バイナリーオプションで簡単に確実に儲けることが出来ると・・・
相談事例
相談者様は、本件依頼時70代の女性です。
相談者様は、ある日、相手業者のYouTube動画を見たことをきっかけにバイナリーオプションに関するEメールを受け取るようになりました。相手方業者のホームページのリンクが貼られており、そこには相手業者の開発したシステムを使えるコミュニティに参加することによってバイナリーオプションで簡単に確実に儲けることが出来るとの記載とそれに関するYouTube動画が貼られていました。特に1000円が1年で2000万円になるとの記載は相談者様にとって魅力的にうつりました。そこで、相談者様は相手業者に対して、そのバイナリーオプションの必勝システムを利用できるコミュニティへの参加費用及び相手方業者からそのシステムについてマンツーマンでトレーニングを受けることができるサービス費用として合計29万円を銀行振込によって相手業者に支払ってしまいました。
しかしながら、相談者様は、全く稼ぐことができず、相手方の対応に不信感を抱いたことから、相談者様は、相手方らに不審を抱いたので当事務所の弁護士に相談し、被害金額の回収を依頼することにしました。
解決結果
1.弁護士は、本件の被害金の支払方法が振込であったことから振込先口座を管理する金融機関に対して、当該口座について、振り込め詐欺被害救済法に基づく口座凍結要請を行い、その結果口座凍結が奏功しました。ところが、その後少ししてからその金融機関から連絡があり、警察の取調べを踏まえて、金融機関で慎重に機能した結果、口座凍結を解除する旨を伝えられました。
2.そこでやむなく、相手業者に対して内容証明郵便通知書を送付して返金を求めたところ、相手業者が弁護士を代理人に立てて交渉してきました。はじめは4割しか返金しないとの相手方弁護士は連絡してきましたが、受任時に保存していた相手業者のホームページの記事などを送付して粘り強く交渉した結果、被害金額の約9割に該当する26万円での和解が成立し、無事に26万円が相手業者から支払われました。
弁護士のコメント
被害金額全額の回収に至らなかったことは不満ですが、一定以上の被害金額を回収できたことはひとまずよかったと思います。今回は、口座凍結が金融機関によって解除されてしまったという点で、今一つ主導権を握り切れなかった印象はあります(正直、相手業者のホームページの記載はかなり露骨で、詐欺性は明確であったのでどうして解除されたのかは不可解でしかありません。)。
それでも、証拠を送り付け、的確に相手の詐欺性を立証することでここまでの結果に辿りつくことができました。依頼者の方にも満足していただくことができました。今回の経験を次に生かして、次の詐欺事案に臨んでいきたいと思います。