解決事例
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解決事例報告Solution case report

  • 自己破産の際に債権者一覧表に掲載されていなかった債権者からの請求を排除しました。
    2021-03-24
    自己破産後、真面目に働いて生活していたご相談者様の元に相手方である債権者から貸金返還の督促状が届き・・・

    相談事例

    1.相談者様は、本件依頼時20代の女性です。
    相談者様は、過去に同居親族が相談者様の身分証明書を使って、相談者様に無断かつ内緒で、相談者様の名前を使って貸金業者や銀行から借り入れを行っていたことから、最終的に自己破産手続を行った方です。
    2.自己破産後、真面目に働いて生活していたご相談者様の元に相手方である債権者から貸金返還の督促状が届きました。相談者様は、その債権者からお金を借りた記憶がありませんでした。また、過去の自己破産のときに相談者様は信用情報を全て確認して破産申立をしましたが、この債権者は、信用情報機関に登録されない債権者で、その意味でもご相談者様はその存在を把握していませんでした。結論として、ご相談者様の親族が相談者に無断で相談者様の名前を使って債権者から借入を行い、そのことが前回の自己破産時には把握できていませんでした。
    3.債権者からの督促状が届き、不安になったご相談者様は当事務所の弁護士に相談を行い、本件事件を委任しました。

    解決結果

    1.弁護士は、債権者に対して、破産の免責許可決定の書類を付けて文書で経緯を説明するとともに、相談者様が借りた借金でないため相談者様に返済義務がないこと、免責許可決定を受けていることから、相談者様が返済義務を免れていることを通知しました。
    2.その後、債権者との間で交渉がありましたが、免責許可決定を得ていることから、債権者は、今後相談者様へ請求しないという結論に至りました。

    弁護士のコメント

    1.前回の破産事件で債権者一覧表に記載できなかった債権者との関係が問題となる事案でした。前回の申立ての際にはできる限り債権者の情報を集めて破産申立をしたので督促があったと聞いたときにはとても悔しい思いがありました。
    2.この点、故意又は過失によって債権者一覧表に債権者を記載しなかった場合には免責の効果が及ばないとする裁判例があり、この裁判例に従えば、こちらにあった過失があったかどうかが争点となる事案でした。もちろん、自分で借りたわけでもなく、また、信用情報機関を調査をかけるなど破産申立の際にするべき努力を果たしていたことから相談者様の無過失は明らかであったと思います。
    3.ただ、相手方がこの裁判例を知っているわけではありませんでしたので、交渉の中ではあえて過失の有無について争点とすることはせず、破産申立をして、免責手続まで受けていることから相談者様に請求するべきではないということを前面に押し出して粘り強く交渉をしました。なぜなら、過失の有無を問題にしてしまうと、請求の全面的に排除をすることが困難になると判断したからです。その結果、債権者からの請求を排除するという結果を勝ち取ることができました。
    4.この結果には相談者様も喜んでくださいました。苦労して獲得した免責の効果を一部でも失わずに済んでよかったと思います。

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