解決事例
Examples of solutions

解決事例報告Solution case report

  • 不正に取得されたクレジットカード代金の請求を 全額排除しました。
    2017-09-22
    自分の知らないところでクレジットカードが不正に発行されていた。

    相談事例

    1.相談者様は、本件依頼時40代の男性です。
    相談者様は、ある日、ローンを組んで買い物をしようとしたところ、ローンが通りませんでした。それから少しして、金融機関のカードローンの利用停止の連絡が届きました。相談者様は、何らの債務を滞納しているという認識がなく、何故このようなことになっているのか皆目見当がつきませんでした。
    2.そうしたところ、本件の相手方であるクレジットカード会社(以下、「相手方」と言います。)から連絡があり、相手方からカードの発行を受けた記憶がなかったことから、相談者様は、自分の知らないところでクレジットカードが不正に発行されて利用されていることを認識しました。
    3.相談者様は、自分の信用情報の開示を行って確認したところ、身に覚えのない契約が複数交わされていることが分かりました。そこで、相談者様が、各社に対して、相談者様名義の契約は、第三者によって名義を冒用された契約である旨を主張して信用情報を削除することなどを求めたところ、上記相手方以外の全ての会社は、第三者による不正な契約である旨を認め、信用情報削除等の手続を行いました。
    4.ところが、相手方だけは、こちらにも落ち度があるなどと主張して、信用情報の削除に応じず、カードの利用料金75万9216円の支払をするように要求してきました。相談者様は、身に覚えのないままに発行されたクレジットカードの支払をすることに納得がいかなったため、当事務所の弁護士に依頼して本件事件を委任しました。

    解決結果

    1.弁護士は、相手方に対して、カードの発行を受けたことも、利用したこともないことを理由に請求の撤回と本件信用情報の削除を求める内容証明郵便通知書を送付しましたが、相手方はこれに応じませんでした。
    2.次に弁護士が調査した結果、クレジットカード番号発行時の本人確認資料である健康保険証番号が架空のものであり、相談者様のものではないことを突き止め、そのことを相手方に対して主張しましたが、相手方はそれでも請求の撤回や信用情報の削除に応じませんでした。
    3.そこで、相手方に対してクレジットカード債務の不存在確認と健康保険証の番号が架空のものであることが判明したにもかかわらず請求の撤回や信用情報の削除に応じなかったことなどを理由に慰謝料を求める訴訟を提起しました。
    そうしたところ、相手方に代理人弁護士が就任し、すぐさま債務確認不存在と信用情報の早期削除を内容とする和解案の提示を受けました。弁護士は、訴訟提起を余儀なくされたことに対して相応の慰謝料を求めたいと思う一方で、信用情報に滞納情報がいつまでも掲載されることは相談者様にとって不利益になることから、上記相手方代理人提示の条件に加えて若干の慰謝料を求める提案しました。
    最終的に、第2回期日で債務不存在確認、信用情報の早期削除及び慰謝料5万円の和解が成立しました。

    弁護士のコメント

    最終的に無事に和解をすることができたことはよかったと思っています。しかしながら、相手方弁護士が訴訟開始後すぐに和解案を提示してきたことからも、本来ならば訴訟前の交渉で終わらせるべき案件であったと思いは拭えません。クレジットカード契約の成立の主張立証責任がクレジットカード会社側にあり、カード発行時の本人確認書類が架空のものであった以上、相手方には、速やかな請求の撤回と信用情報の削除に応じて欲しかったです。

カテゴリー

最近の事例

よく読まれている事例

page top